目次
  1. 我が家の1日(レン・2歳半・35kg)
  2. 35kgの力は、具体的にこういうこと
  3. 留守番は何時間まで?我が家の実際
  4. 覚悟しておくこと5つ
    1. 1. 抜け毛 — 2階に上げていないのに、2階も毛だらけ
    2. 2. 破壊 — 犬用ベッドが1つも残らなかった
    3. 3. 重さ — 動かないと決めた35kgは、持ち上がらない
    4. 4. お金 — フードだけで月3万円前後
    5. 5. 別れ — 必ず来る、そして早く来る
  5. ゴールデンの性格 — いいところも正直なところも
    1. いいところ:人が好きすぎる
    2. 正直なところ:苦手なものも、ちゃんとある
  6. 迎える前に決めておく3つのこと
    1. 1. 住環境 — 室内で、どこまで自由にさせるか
    2. 2. 時間の分担 — 散歩2時間を、誰が回すか
    3. 3. お金 — 月4万円前後を、10年以上
  7. それでも飼う価値があると思う理由
  8. よくある質問
  9. まとめ

「ゴールデンレトリバーを飼いたい」。その気持ちは、たぶん正しいです。あの顔で見上げられて、心が動かない人はそういないと思います。

ただ、この記事は「ゴールデンレトリバーはこんな犬種です」という説明をする記事ではありません。原産国や体高や毛色は、検索すればすぐに出てきます。知りたいのはそこではなく、 「自分の生活で、この犬を飼えるのか」 ではないでしょうか。

我が家には、ゴールデンレトリバーのレン(メス・2歳半・35kg)がいます。その前はボーダーコリーのラクと12年一緒に暮らし、見送りました。ゴールデンは「かわいい」の代償が、はっきりと体と財布に来る犬です。

この記事では、うちの1日、35kgの力、留守番の実際、毎月のお金を、いいところも大変なところも隠さずに書きます。読み終えたときに「うちなら大丈夫」か「いまは無理だ」かを、ご自身で判断できる材料をそろえるのが目的です。

そして、条件が揃わない方には、はっきり「いまは飼わないほうがいい」と書きます。犬のためにも、あなたのためにも。

先に結論:ゴールデンを飼えるかは、この3つで決まります

  • 毎日2時間の散歩を10年以上続けられるか
  • 35kgの力に家族の誰かが対応できるか
  • 月4万円前後を10年以上払い続けられるか

※ どれか1つでも「厳しい」なら、いま迎えるのは見送ったほうがお互いのためです

我が家の1日(レン・2歳半・35kg)

まず、うちの1日をそのまま書きます。これが「ゴールデンと暮らす」の実物です。

早朝の住宅街を散歩するゴールデンレトリバーと飼い主

朝は、散歩から始まります。時間は1時間です。ゴールデンには穏やかな犬というイメージがありますが、もともとは水鳥を回収するための猟犬で、体力は相当あります。散歩を短く済ませると、余った体力が家の中に向かいます(あとで書くタオルの話がそれです)。

散歩の途中、レンは人に会うたびに立ち止まります。レンの挨拶の順番は「人が先、犬が後」。相手の犬よりも先に、飼い主さんのほうへ行きます。近所のおばちゃんのことが好きすぎて、その家の前を通るたびに門のところから在宅チェックをするのが日課になっています。

帰宅したら朝ごはん。1歳ごろから2026年8月まではアカナのアダルトラージブリードで、1回250g弱。パッケージの目安どおりの量でした(今は動物病院の指示で療法食です)。大型で胸の深い犬種では、食後すぐの激しい運動は胃捻転を避けるために控えるよう、よく注意されます。なので食べたあとは、しばらくペットサークルに入ってもらいます。うちがサークルの扉を閉めるのは、この食後の時間と、来客のときの2つだけです。

日中は、家の中で自由にしています。クレートは使っていません。定位置は人間用のソファで、頭をちょうど端に乗せられるのが気に入っているようです。もうソファは犬専用の家具になりました。もう1か所、いる時間が長いのが玄関の床で、夜もたいていここで寝ています。ただ夏の夜はエアコンをつけて部屋を閉めるので玄関に行けず、フローリングや畳など、ひんやりした場所を自分で探して寝ています。ダブルコートのゴールデンは暑さに弱いので、夏は寝床よりも部屋全体の暑さ対策のほうがずっと大事です。

→ 大型犬の熱中症|危険なサインと応急処置

夜も散歩で、また1時間。朝と合わせて毎日2時間です。雨の日も行きますが、レンは雨に打たれるのが嫌いなので、その日は短めになります。

夜ごはんも250g弱。さらにアカナのころは、おやつ(ご褒美)にも同じアカナを使っていたので、実際に食べる量は1日570g以上でした。11.4kgの袋が、20日もちませんでした。

そしてブラッシング。これもほぼ毎日です。ダブルコートの抜け毛については、あとでまとめて書きます。

そして夜は、またソファです。

書き出してみると、犬のために毎日「必ず」使う時間が、散歩だけで2時間。そこに食事とブラッシングが乗ります。これを毎日、10年以上。「今日はやめておこう」が効かないのが犬との暮らしです。まずここを、ご自身の1日と突き合わせてみてください。

35kgの力は、具体的にこういうこと

「大型犬は力が強い」と、どの飼い方ガイドにも書いてあります。でも「強い」では何も伝わらないので、うちで実際に起きることを書きます。

まず来客です。レンは人が大好きで、来客があるとしっぽだけでなく腰から振る「全身ブンブン」で歓迎します。かわいいのですが、35kgが全身ブンブンで突っ込んでくるのは、犬に慣れていない人にとっては恐怖です。宅配便が来たら、先にレンを退避させます。そうしないと配達員さんに飛びかかるからです。生協のお姉さんが大のお気に入りで、ドアを閉めたはずなのに、いつの間にかドアの横に立っていることもあります。

うれしょんをするレベルの人好きなので、散歩前にはおしっこを済ませておくのが唯一の対策です。それでも、よそのお宅の庭で盛大にやってしまった日があります。

次に散歩です。好きな人や犬を見つけた瞬間、35kgが前に出ます。一瞬です。ここで踏ん張れるかどうかは、犬のしつけだけでなく、リードを持つ側の体重と体力にかかっています。うちはユリウスK9のハーネスを使っていますが、ハーネスは「引っ張っても犬の首を痛めない」道具であって、「引っ張らなくなる」道具ではありません。

→ ユリウスK9 IDCパワーハーネスのレビュー

女性やお年寄りが1人で散歩できるか。 ここがいちばん聞かれるところなので、逃げずに書きます。

「ゴールデンレトリバー 70歳 一人暮らしで飼えますか」。実際に、こういう言葉で検索している方がいます。私の答えは、 散歩を代われる人が誰もいないなら、いまは見送ったほうがいい です。理由は3つあります。35kgが本気で前に出たときに支えきれるか。毎日2時間の散歩を10年以上続けられるか。自分が体調を崩した日に、誰が散歩に行くか。

この3つのどれかで「誰かに頼れる」なら、話は別です。家族が同居している、近くに手伝える身内がいる、という条件があれば、年齢そのものは決定打ではないと思います。逆に言えば、若くても、散歩を代われる人がいない一人暮らしなら、同じ理由で私はおすすめしません。

留守番は何時間まで?我が家の実際

「何時間なら家を空けて大丈夫ですか」も、よく検索されている質問です。

先に正直に書きます。 うちは、この質問に数字で答えられません。留守番をほとんどさせていないからです。 連れて行ける用事なら連れて行きますし、そもそもそういう生活のほうを選んできました。これまでで一番長かったのは、家族の用事でどうしても外せなかった日の5〜6時間です。

これは自慢ではなく、大型犬を迎えるというのはそういうことだ、という話です。「何時間まで耐えられるか」の上限を探すより先に、 留守番をあまりさせずに済む生活を組めるか を考えたほうがいいと思います。うちはそちらを選びました。

留守番のときの形にも、決まった正解はありません。うちはクレートを使っていません。ペットサークルはありますが、扉は基本的に開けっぱなしです。閉めるのは来客のときと食後の安静時間の2つで、留守番のときは状況によります。2歳半になって落ち着いてきたので、最近は自由にさせていることのほうが多いです。

そのうえで、共働きで飼えるかどうかは、留守番の長さそのものより、 朝晩1時間ずつの散歩を回せる体制があるか で決まると私は思っています。「帰宅したらすぐに1時間の散歩へ出る」を、仕事で疲れて帰ってきた日も、雨の日も、毎日続けるということです。

もうひとつ、子犬期は別の話になります。子犬のころのレンは、クッションも座布団も食い破りました。子犬に長時間の留守番をさせるなら、「何時間」より先に「部屋に何を置いておくか」を考える必要があります。

覚悟しておくこと5つ

ここからは、迎える前に知っておいてほしいことを5つに絞ります。どれも「一般論」ではなく、うちで起きたことです。

1. 抜け毛 — 2階に上げていないのに、2階も毛だらけ

ブラッシングされるゴールデンレトリバーと床に溜まった抜け毛

ボーダーコリーもダブルコートだったので、抜けやすさ自体は犬種で変わらない、というのが私の実感です。ただ、ゴールデンは体が大きいぶん、絶対量がまったく違います。

うちは関節を考えてレンを2階には上がらせていません。それなのに、2階も毛だらけになります。服や空気に乗って、犬が入らない部屋にも広がるからです。「犬のいる部屋だけ掃除すればいい」は通用しません。

ブラッシングは、Athbeamのペットコーム(両面刃)1本をほぼ毎日。以前はスリッカーからコームへの2段階でしたが、スリッカーは使わなくなりました。ファーミネーターは使っていません。ブラシを何本も試したわけではないので「これがベスト」とは言えませんが、うちはこれで回っています。重いところは2ヶ月に1回のトリミングサロンに任せています。

→ ゴールデンレトリバーの抜け毛対策|ブラシの選び方とおすすめ

それでも毎日、床とソファに毛は積もります。掃除機は「毎日かける」前提で、毛が絡まないものを選ぶことになります。

→ シャーク掃除機はペットの毛に勝てるか|大型犬1年の結論

2. 破壊 — 犬用ベッドが1つも残らなかった

我が家に、いま犬用ベッドは1つもありません。子犬のころに用意したクッションは次々に食い破られ、「3個や4個」というレベルではありませんでした。犬用グッズだけでは済まず、家の座布団も全滅しました。生き延びたのは、フチの低い四角いマット1枚だけ。商品名はもうわかりません。その生き残りのマットはいまサークルの中にあり、冬は毛布も入れていますが、あまり使いません。長くいるのは人間用のソファと玄関の床で、冬はそこに、1階で寝ている家族の布団の上が加わります。

→ 大型犬のベッドおすすめ|食い破られる前提で選ぶ

破壊はクッションでは終わりません。レンは洗濯籠からタオルと靴下を強奪します。隠しても洗面所に侵入します。タオルはビリビリに破かれますが、本人は遊んでもらえていると思っているので、悪気はゼロです。結果、家中のタオルが全滅して、一斉に買い替えました。

甘噛みの時期も、かなりきつかったです。力加減がわからないので、私の腕を中心に家族の手まで傷だらけになり、「血が出るのは日常」という時期が半年ほど続きました。ボーダーコリーのときはそこまで苦労しなかったので、これはゴールデンの子犬を迎える方に、先に知っておいてほしいことです。噛んでいいものを常に用意しておくのが基本の対策で、うちの歴代の犬がいちばんハマったおもちゃはコングのウァバでした。

→ コング ウァバ レビュー|ボーダーコリー10年・ゴールデン2年使った結論

3. 重さ — 動かないと決めた35kgは、持ち上がらない

引っ張る力の話は上で書きました。やっかいなのは、その逆です。

まずシャンプー。ボーダーコリーは自宅のお風呂で洗えましたが、ゴールデンで同じことをやると一仕事です。お風呂そのものは嫌がらない子なのに、35kgを洗って、すすいで、乾かすところまでやると半日仕事になります。そこでうちは、2ヶ月に1回はサロンにお願いし、その間の月だけ自宅でA.P.D.C.のシャンプーとコンディショナーを使う形に落ち着きました。毎回自宅でやるのは、体力がもちません。

→ 大型犬のシャンプーおすすめ&自宅洗い・サロン活用ガイド

そして、動きたくないときの35kgも重いです。レンは子犬のころ、車が嫌いでした。酔うわけではないのに乗ってくれず、乗せるだけで一苦労だったものです。2歳半になった今はほとんど自分で飛び乗ってくれますが、それでもたまに嫌がる日があって、その日の35kgは本当に重い。踏ん張られると、こちらの力ではびくともしません。車好きな子が多い印象の犬種ですが、ラクのほうが車は大好きだったので、これは犬種ではなく個体差だと実感しています。車に乗せるなら、後部座席は確実に毛だらけになるので、ドライブシートは最初から用意しておくのがおすすめです。

4. お金 — フードだけで月3万円前後

具体的に書きます。アカナ アダルトラージブリードを与えていたころは、11.4kg袋が2026年9月時点で19,305円。1回250g弱を1日2回、さらにおやつにも同じアカナを使っていたので、1袋が20日もちませんでした。フード代だけで、月に約29,000〜32,000円です。

2026年8月からは動物病院の指示で療法食(ロイヤルカナン ユリナリーS/O)に切り替えています。8kgで約2万円のフードです。病気で療法食が必要になると、フード代の前提が変わることも覚えておいてください。

→ アカナ アダルトラージブリードのレビュー

子犬期(1歳ごろまで)はセレクトバランスのパピーを食べていました。フードは大型犬用のものから選ぶことになりますが、何を選んでも「量」で効いてくるのが大型犬です。

→ 大型犬ドッグフードおすすめ14選|実費と価格帯で比較

これにトリミングが2ヶ月に1回、シャンプーコースだけで1回約13,000円。ゴールデンはダブルコートなので全体カットは不要で、シャンプーコース内で足まわりなどを整えてもらえます。ここに予防医療とペット保険、消耗品が乗って、アカナのころのうちの実費は月4万円前後でした。医療費や保険、消耗品まで含めた内訳と生涯費用は、別の記事に実費でまとめています。

→ ゴールデンレトリバーの飼育費用|生涯500〜700万円の実費内訳

「かわいいから飼いたい」は入り口として正しいのですが、この金額を10年以上、毎月払い続けられるかは、入り口とは別の問題です。

5. 別れ — 必ず来る、そして早く来る

ボーダーコリーのラクとは、12年一緒に暮らして見送りました。ゴールデンの寿命は一般に10〜12年と言われます。迎えたその日から、その先の別れは決まっています。

その前に、病気の話を少しだけ。ゴールデンは股関節の病気、垂れ耳ゆえの外耳炎(レンもなったことがあります)、そしてがんが多い犬種として知られています。大型犬には胃捻転の心配もあります。うちが階段を上がらせないのも、食後にサークルで休ませるのも、その備えのつもりです。ここで詳しく解説はしませんが、「この犬種は何になりやすいか」を知っておくだけで、早めに気づけることがあります。大型犬は治療費も大きくなりがちなので、保険は迎える前に検討しておいてください。

→ 大型犬のペット保険|月4,900円の実費と使った実感

ゴールデンの性格 — いいところも正直なところも

ここまで大変なことばかり書きましたが、性格の話をしないと不公平なので書きます。

いいところ:人が好きすぎる

ゴールデンの最大の魅力は、人に対する愛情の深さです。家族はもちろん、初対面の人にもしっぽを振って駆け寄っていきます。レンの場合、それが「うれしょん」のレベルなのは上に書いたとおりです。

その分、 番犬としてはまったく役に立ちません 。基本はヘソ天です。動物病院も喜んで入っていきます(痛いことをされた次の回だけは嫌がります)。人にたくさん会えるのが好きなのか、病院に併設されたトリミングサロンのトリマーさんが好きなのかは分かりません。

食べ物では、無糖のプレーンヨーグルトときゅうりが好物です。ヨーグルトはもともと人間の健康のために買っていたのに、いつの間にか完全にレン専用になりました。

→ ゴールデンレトリバーあるある|飼い主にしか分からない日常

正直なところ:苦手なものも、ちゃんとある

浅い川で泳ぐゴールデンレトリバー

「ゴールデンは水が好き」は本当で、レンも水たまりには容赦なく入ります。お風呂も嫌がりません。ところが雨に打たれるのは嫌いで、雨の日の散歩はすぐに帰りたがります。同じ水でも、自分から入るのと、上から降ってくるのは別物のようです。

→ 大型犬レインコートおすすめ7選|着せやすさ重視

雷も苦手です。鳴ると人のそばに寄ってきて、ビビっています。

犬種のイメージと実際の性格は違うことがあります。子犬のころの車嫌いもそうでした。「ゴールデンだから」で決めつけず、その子を見て付き合っていくことになります。

迎える前に決めておく3つのこと

ここまで読んで「いけそうだ」と思った方に、迎える前に家族で決めておいてほしいことが3つあります。

1. 住環境 — 室内で、どこまで自由にさせるか

ゴールデンは室内飼いが前提です。暑さに弱く、何より人のそばにいたい犬なので、外飼いは向きません。マンションで飼っている方もいますが、うちは一戸建てなのでそこは経験で語れません。犬可の規約と、35kgが寝そべっても人が通れる広さは要る、というところまでが私に言えることです。

そのうえで、「家のどこまでを犬の場所にするか」を先に決めておくと後が楽です。うちは関節を考えて1階だけにしましたが、その1階のソファは犬のものになりました。夏は床で寝ます。そういう前提で、家具と床を考えてください。

2. 時間の分担 — 散歩2時間を、誰が回すか

毎日2時間の散歩を、誰が担当するか。その人が体調を崩したら、誰が代わるか。これを迎える前に決めておいてください。「みんなでやる」は、たいてい「誰かひとりがやる」になります。

3. お金 — 月4万円前後を、10年以上

毎月の固定費が10年以上続き、そこに、いつ来るか分からない医療費が乗ります。ここで決めておいてほしいのは金額そのものより、 誰の財布から出すか です。「余裕があるときに出す」にしておくと、余裕がない月に犬の何かを削ることになります。先に固定費として家計に組み込んでください。

それでも飼う価値があると思う理由

ここまで読むと、「大変なことしか書いていないじゃないか」と思われるかもしれません。そのとおりです。でも私は、ラクを見送ったあとに、もう一度犬を迎えました。それがレンです。

ラクとは12年一緒に暮らしました。見送ったときの気持ちは、ここには書きません。ボーダーコリーとゴールデンで何がどう違ったかは、別の記事にまとめています。

→ ボーダーコリーとゴールデンレトリバー、両方と暮らして分かったこと

ただ、あの12年が無ければよかったとは、一度も思いませんでした。だから、また迎えました。ラクとレンは顔を合わせたことがありません。それでも、ラクと暮らした12年があるから、レンとの毎日をこうして書けています。

帰宅したときの全力の歓迎。ソファの端に頭を乗せて寝ている顔。すっかり自分専用になったヨーグルト。雷の夜に寄ってくる35kg。閉めたはずのドアの横に、いつの間にか立っている後ろ姿。大変なことは全部本当ですが、こういう毎日と引き換えなら、私は払います。

ただし、それは「払える」からです。散歩の2時間、35kgの力、月4万円前後。この3つが揃わないまま迎えると、大変なことだけが残ります。それは犬にとっても、あなたにとっても不幸です。だからこの記事は、飼えない条件の方には「いまは飼わないほうがいい」と書きました。条件が揃った方には、心からおすすめします。

よくある質問

Q. マンションでも飼えますか?

A. 飼っている方はいますが、うちは一戸建てなので経験では語れません。 そのうえで前提に入れてほしいのは、犬可の規約が要ること、抜け毛は犬が入らない部屋にも広がること、35kgの犬と共用部で他の住人とすれ違うこと、夏は涼しい床を探して寝たがることです。

Q. 共働きでも飼えますか?

A. 留守番の長さより、朝晩1時間ずつの散歩を回せるかで決まります。 ただし、うちは留守番をほとんどさせていません。連れて行ける用事は連れて行く生活を選んだからです。「帰宅してすぐ1時間外に出る」を毎日続けられる体制があるなら、共働きそのものは障害にならないと思います。ただ、毎日の長時間の留守番が前提になるなら、そこはもう一度考えたほうがいいと思います。

Q. 初めての犬がゴールデンレトリバーでも大丈夫ですか?

A. 性格の面では向いていますが、体力と時間とお金の面では「初めて」向きではありません。 穏やかで人が好きな犬種なので、しつけの入り口は入りやすいです。ただし、子犬期の甘噛みで、うちは私の腕を中心に家族の手まで傷だらけになる時期が半年ほどあり、成犬になれば35kgの力と毎日2時間の散歩が待っています。「犬が初めて」より「大型犬が初めて」のほうが、ハードルとしては高いと感じています。

Q. 女性やお年寄りでも1人で散歩できますか?

A. 35kgが本気で前に出たときに支えられるか、で判断してください。 犬のしつけと同じくらい、持つ側の体重と体力が関係します。うちはユリウスK9のハーネスを使っていますが、ハーネスは首を守る道具で、引っ張りを無くす道具ではありません。散歩を代われる人がいないなら、私は見送りをおすすめします。

Q. 何時間まで留守番させられますか?

A. うちの実績は最長5〜6時間ですが、これは上限ではなく「それ以上させたくないから、させていない」だけです。 連れて行ける用事は連れて行く生活を選んできました。時間の上限を探すより、留守番をあまりさせずに済む生活を組めるかを先に考えてください。子犬期は、部屋に置くものにも注意が要ります。

まとめ

ゴールデンレトリバーを飼えるかどうかは、犬種の知識では決まりません。決めるのは、次の3つです。

  • 毎日2時間の散歩を、10年以上続けられるか
  • 35kgの力に、家族の誰かが対応できるか
  • 月4万円前後を、10年以上払い続けられるか

この3つが揃っているなら、ゴールデンは本当にいい犬です。人が好きで、番犬にはならず、タオルを強奪して、雷の夜に寄ってきます。うちのソファはもう犬のものですが、それでいいと思っています。

揃っていないなら、いまは見送ってください。条件が整ったときに迎えたほうが、犬もあなたも幸せです。この記事が、その判断の材料になれば嬉しいです。